久藤総合病院 院長よりご挨拶
当院は、昭和45年6月に故久藤豊治が久藤病院として開設したことに始まり、2020年、東京オリンピックの年には設立50周年を迎えます。病院開業当時の日本は、高度経済成長に伴い国民所得が増加、高速道路の整備等も相まってモータリゼーションが急速に発展した時代でした。しかし一方、環境整備の出遅れが目立ち、乗用車の性能や安全性は決して高いものではなかったこともあり、交通事故は大きな社会問題になっていました。
よって、当院にも多数の交通外傷の患者さんが救急搬送され治療を行っておりましたが、その当時から創業者は、いかなる患者さんも絶対に断らない方針を金科玉条としておりましたので、交通外傷以外の多数の急患も連日連夜押し寄せ当院は南加賀地区を代表する救急病院として広く世間に認知されておりました。
その後、診療科の増設に伴い平成11年2月には病院名が久藤総合病院に改称されましたが、医療制度の度重なる変更や少子高齢化が進行する社会情勢に合わせて何が必要なのか、何を求められているのかを詳細に検討した結果、ニーズの高い地元のかかりつけ病院として地域医療に貢献することを選択し、更には急性期病院の後方支援として亜急性期、慢性期疾患の患者さんを対象として加療を提供する病院へと舵取りを変更することとなりました。
そのためには、地域連携室の充実やリハビリテーション部、看護部を中心とした医療、看護スタッフのスキルアップが不可欠となりますが、当院ではスタッフ各自が自覚を持って積極的に研修会や講演会等に赴き、よりよい医療、看護サービスを皆様に提供すべく自己研鑽を積んでおります。
病院の経営方針は変更致しましたが、当院の理念である「和顔愛語」の精神は継承し、人の痛みを知る「惻隠の情」を全職員がしっかりと認識して業務を遂行することには何ら変わりはありません。今後も皆様に愛され、支持される病院を目指して邁進致す所存ですので、ご支援、ご厚情賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
久藤総合病院 院長 太田孝仁